【開催レポート】KadaiDX塾「業務システム内製開発~AIエージェント編~」
主催:香川大学DX推進研究センター
共催:大学・地域共創プラットフォーム香川
後援:リコージャパン株式会社、リコーITソリューションズ株式会社、日本マイクロソフト株式会社、株式会社STNet、高松商工会議所
2026年1月30日、香川大学情報化推進統合拠点DX推進研究センターは「KadaiDX塾 業務システム内製開発 - AIエージェント編」を開催しました。会場は幸町北キャンパス図書館PCルームL2とオンライン(Teams)を併用したハイブリッド形式で行い、現地・オンラインあわせて約300名の申込がありました。
とくに現地参加は申込開始から約1週間で定員に達し、本テーマへの関心の高さがうかがえました。
本講座では、大学職員の業務にも用いられる「休暇申請受付エージェント」を題材とし、実際の業務を例にしたAIエージェント開発のプロセスを体験いただきました。現地参加者は主に県内企業の方、オンラインでは全国の大学・県外企業・自治体関係者・一般の方が参加し、多様な視点が集まる学びの場となりました。
「KadaiDX塾」のこれまでとこれから
これまで香川大学情報化推進統合DX推進研究センターは、プログラミングの高度な専門知識がなくてもシステムを構築できるローコード・ノーコードツールを用いたハンズオン講座「KadaiDX塾」を継続的に開催してきました。
「Kadai DX 塾」は、香川大学が実施してきた業務システム内製開発を中心としたDX推進のノウハウや成果を踏まえ、組織内でデジタル技術を用いた業務プロセス変革を目指す方や、Microsoft 365 を用いた業務システム内製開発に興味がある方を対象に開講しています。本講座は、2022年から年に一度開催しています。開催内容は、「発注受付システムの開発」「問合せチャットボットの開発」「イベント参加受付システムの開発」「イベント参加受付状況の可視化」「落とし物管理システムの開発」など、大学に限らず企業や自治体などでも転用可能をテーマとした内製開発ハンズオンを開催してきました。
昨今、生成AIが急速に普及する中で、それを単なるチャットツールとして利用する段階から、一歩進んで「業務を自律的にサポートするエージェント」として使いこなす重要性が高まっています。本講座では、参加者がAIを「自分自身の課題を解決する身近な手段」として捉え、AIを使って自分の業務をどう改善できるかを具体的にイメージできることを目指しました。
開催概要
- 講演:「香川大学のDX推進の取組」
- ハンズオン第1部:「プロンプトエンジニアリングを体験しよう」
- ハンズオン第2部:「休暇申請受付エージェントを開発しよう」
- ハンズオン第3部:「休暇申請確認エージェントを開発しよう」
- 事例紹介:「香川大学のDX推進事例」
今後のKadaiDX塾でも、今回のように実践的なハンズオンを展開していく予定です。
AIエージェントという相棒を手に
本講座の一番の特徴は、単なるツールの使い方を学ぶことではありません。「毎日の仕事ですぐに役立つシステムを、自分自身の手で作ってみる」という実践的な部分にあります。今回の題材では「Copilot Studio(AI)」と「SharePoint(データの置き場)」をセットで使うことでした。これは、ITの専門家でなくても、「AIとの会話画面」と「裏側でのデータ管理」を分けて作成できる、非常に便利な仕組みです。特にハンズオンの第3部では、ただ質問に答えるだけのAIではなく、「AIが自分で考えて動くための仕組み作り」に挑戦しました。具体的な仕組みは以下の内容です。
- 会話の道筋を作る(ナビゲーションフロー): AIが「どんな順番でユーザーに質問をしていくか」というルールを決めます。
- 情報を一時的に覚えさせる(変数の活用): 人間が入力した言葉をAIに記憶させ、その後の会話や手続きで使えるようにします。
- 条件に合わせて対応を変える(条件分岐): 「もし有給休暇の残りが0日なら、申請できないと答える」といったように、状況に応じてAIの返答を切り替える仕組みです。
参加者アンケートでは、「想像以上に手軽に取り組めた」という嬉しいお声があった一方で、「変数の設定や数式の意味が難しかった」というご意見も寄せられました。 実際、この裏側の設定は少し複雑です。しかし、この「難しさ」を感じたことこそが、実務で本当に使える本格的なシステム開発に挑戦した証です。参加者が「単なるユーザー」から「市民開発者」へとステップアップする過程での、心地よい手応えであったと感じています。
本講座のもうひとつの特徴として、香川大学情報化推進統合拠点DX推進研究センターに設置した学生主体のDXラボの学生スタッフが司会進行と講師、サポートスタッフを務めました。参加者からは「学生の堂々とした説明に感服した」「専門家のような安心感があった」と高い評価をいただき、学生スタッフにとっても、大学の取り組みを外部に向けて発信することで、専門性だけでなくコミュニケーション力や課題解決力などの実践的なスキルを磨く機会となっています。
まとめ
今回のKadaiDX塾は、DXに初めて触れる方には「自分でもAIエージェントを作れる」という驚きと発見を、既にDX推進に取り組んでいる方にとっては「AIエージェントを活用して自部署の業務をどう変えるか」という具体的なイメージをつかんでいただくことを狙って開催いたしました。
香川大学は今後も地域社会と連携し、実践的なDX人材の育成に取り組んでまいります。
高校生・受験生の皆さんへ
香川大学では、学生が教室で講義を受けるだけでなく、最先端のデジタル技術を用いて「教える側」として社会人をリードする実践的な活躍の場を提供しています。参加者アンケートでも、「学生スタッフの皆さまの堂々たるご説明ぶりにも、非常に感服いたしました」、「学生(院生)を前面に出される御校の姿勢に感銘を受けました」と称賛の声が多数寄せられました。
学生時代から本格的なプロジェクトに関わり、実践スキルを磨きたいとお考えの皆さんにとって、香川大学は最高の成長の舞台となるはずです。




関連リンク
(参考)香川大学 DXラボ

