【開催レポート】2025年度デジタルONEアンバサダー最終報告会

主催:香川大学情報化推進統合拠点

2026年6月18日(木)香川大学情報化推進統合拠点情報メディアセンターおよびTeams会議(オンライン)にて、「デジタルONEアンバサダー最終報告会」を開催しました。

デジタルONEアンバサダー制度は、全学的なデジタルONE戦略に基づき、デジタルONEオフィスの実現に向けて、各部署のDXを主体的に推進する人材として職員を任命する制度です。デジタルONEアンバサダー(以後、アンバサダー)は研修を通じてICTやDXの知識・技術を習得し、業務改善に活用します。本制度では、アンバサダーの職務は業務の一環として位置付けられ、各部署の目標の一つに「業務改善・DX推進」を盛り込むこととされています。

本報告会では、アンバサダーによる7件の最終報告が行われました。一方、参加者は、過去に任命されたアンバサダーに加え、2026年度に新たにアンバサダーに任命された非情報系職員も含め、現地・オンライン合わせて約90名でした。報告内容は、基盤業務のシステム化、データ活用による改善、AIの活用など多岐にわたり、それぞれの現場で進められてきた実践の成果が共有されました。

香川大学 デジタルONEアンバサダー最終報告会の様子

開催概要

開会にあたっては、香川大学 副学長(情報・教員評価・特命担当)・情報戦略室長・CIO(情報化統括責任者)の林敏浩が挨拶を行いました。審査員として、以下の方々に参加いただきました。

・特別審査員
株式会社タダノ 開発企画部 マニュアル制作UAM(アシスタントマネージャー) 大沢和弘氏

・特別審査員
東海国立大学機構 デジタルユニバーシティ室(名古屋大学ロケーション) 荻野雄三氏

・審査員
香川大学 創造工学部創造工学科 教授/(併)香川大学情報化推進統合拠点 教授/香川大学情報化推進統合拠点DX推進研究センター 副センター長/CDO(デジタル化統括責任者)補佐 山田哲

・審査員
香川大学 創造工学部創造工学科 教授/香川大学情報化推進統合拠点DX推進研究センター長/CDO 八重樫理人

本報告会では、「もともとの業務にはどのような課題があったのか」「その課題に対してどのようなシステムや仕組みを開発したのか」「導入によってどのような変化や効果があったのか」という流れで各取り組みの報告が行われました。その後、審査員との質疑応答が行われ、取り組みの工夫点や今後の展開について活発な意見交換が交わされました。

報告終了後には、香川大学情報化推進統合拠点DX推進研究センターに設置した学生主体のDXラボの学生スタッフである合田壮汰さんによるDXラボの紹介が行われました。

講評を行う特別審査員 株式会社タダノ 大沢和弘氏
講評を行う特別審査員 東海国立大学機構 荻野雄三氏
デジタルONEアンバサダー最終報告会で報告内容を確認する審査員の様子

7件の活動報告で共有された取り組み

今回の最終報告会では、以下の7件の取り組みが報告されました。

教務システム「カダサポ」のID申請システムの開発(教育企画課)
申請や管理が煩雑となっていた教務システムのID申請業務について、FormsやPower Automateなどを用いて申請受付・記録・通知を一元化。

新規検査事業開始に伴う受付業務の自動化(医学部医事課)
新たに開始された検査事業に関する契約・申込受付業務について、契約書案の作成、承認、保存、通知などを含む一連の業務フローを整理し自動化。

安全保障輸出管理×研究インテグリティ 2つの必須手続の統合と申請業務の一元化(地域連携推進課・国際課)
重複していた2つの申請業務について、Forms、Power Automate、Teams、SharePointを用いて受付から管理までを一元化。

貸出ロッカー管理システム ~業務効率化と学生利用率向上に向けて~(修学支援課)
紙で行っていたロッカー貸出業務について、申請の電子化、自動通知、データ管理の一元化により窓口対応および管理業務を効率化。

図書館医学部分館演習室 Web予約システムの開発(情報図書課)
演習室の予約業務について、Web上での申請・受付・管理を可能とする仕組みを整備し、利用者・職員双方にとって使いやすい運用を実現。

作業記録アプリの開発(農学部附属農場)
農場における作業記録について、従来の記録方法を見直し、アプリを用いて入力および管理しやすい仕組みを整備することで、可視化および分析基盤を構築。

香川大学を「AI名刺」でスマートに(広報課)
名刺情報の管理について、AIを活用した名刺情報の読み取りおよび整理により業務効率化と情報活用の向上を実現。

これらの取り組みでは、Microsoft Power Platform(Power Automate、Power BI、Power Appsなど)やMicrosoft Formsを用いて申請業務の一元化、通知や記録の自動化、データの蓄積と可視化、利用者の利便性向上など、現場の課題に根ざした多様な改善事例が共有されました。制度の目的である「自分の職場の業務を改善すること」が、具体的な取り組みとして実現されていることが示されました。

アンバサダーが発表を行う様子
審査員との質疑応答で活発な意見交換が行われる様子

受賞結果

結果発表では、次の取り組みが表彰されました。
【最優秀賞】
貸出ロッカー管理業務の電子化・自動化

【優秀賞】
安全保障輸出管理・研究インテグリティ申請業務の一元化

【特別賞】
AI名刺管理アプリの開発と展開

最優秀賞については、「着眼点」が特に評価されました。特別審査員の大沢和弘氏からは、「『めんどくさい』と思ったところから出発し、それをストレートに改善につなげている点が非常に良かった」とのコメントがありました。さらに、「この仕組みは他の業務にも応用でき、今後の展開が広く見込める」とする点も高く評価されました。

優秀賞については、特別審査員の荻野雄三氏から「異なる二つの業務を一つに統合することは非常に難易度が高く、実務でも苦労するポイントである」としたうえで、「その困難な課題に取り組み、実現した点を高く評価した」との講評がありました。

特別賞については、審査員の山田哲教授は「アンバサダーの取組としてAI活用に踏み込んだ点が非常に革新的である」と評価されました。また、「これまで十分に活用されていなかった名刺情報に着目し、それを組織の資産として管理・活用できる形にしたことが優れた挑戦である」とのコメントもありました。さらに、「試行錯誤を重ねながらAI活用を形にした点も高く評価できる」と述べられました。

なお、各審査員による講評は、香川大学ニュース・トピックス「香川大学 :: 2025年度デジタル ONE アンバサダー最終報告会を開催しました」に掲載しています。

まとめ

今回の最終報告会では、現場の課題を起点に、Microsoft Power Platform(Power Automate、Power BI、Power Appsなど)やMicrosoft Formsを用いて業務改善を進める香川大学の実践が数多く共有されました。日々の業務の中にある課題に向き合い、それを仕組みとして改善していく取り組みの積み重ねが、大学全体のDX推進を支える重要な原動力となっていることが示されました。

香川大学では、こうした一つひとつの改善の積み重ねを大切にしながら、デジタルONEオフィスの実現に向けて学内のDXを推進していきます。

関連リンク

(参考)香川大学情報化推進統合拠点

(参考)香川大学DXラボ

(参考)香川大学情報戦略室

(参考)香川大学 :: 2025年度デジタル ONE アンバサダー最終報告会を開催しました